本とクリスマスと、やさしい時間
6年教室を会場に、2学期最後の読み聞かせを行いました。この日は、3年生の男の子と4年生の男の子が読み手となり、絵本『100にんのサンタクロース』を紹介してくれました。
物語の舞台は、クリスマスを前にしたサンタクロースの世界。そこには、題名どおり100人ものサンタクロースが登場します。見た目も性格も少しずつ違うサンタたちが、それぞれの役割を担いながら、クリスマスの準備を進めていきます。
物語の中心にあるのは、「サンタクロースは一人じゃない。」「たくさんの人の力が合わさって、ひとつの仕事が成り立っている。」という気付きです。プレゼントを作るサンタ、運ぶサンタ、準備を整えるサンタ。表に見える主役だけでなく、支える存在がいてこそあらゆることは成り立つことが、絵を追うだけで自然と伝わってきます。
文章はとてもシンプルで、低学年の子どもでも理解しやすく、絵の中をじっくり見ることで発見が増えていく構成です。学校での読み聞かせや、働く人への感謝を考える導入にも、相性のよい一冊です。子どもの頃に読んだことがあるという方も多いのではないでしょうか。
今回は、ロイロ・ノートを使って電子黒板いっぱいに絵本の画面を映し出す工夫があり、後ろの席からでもよく見える、やさしい配慮が感じられる読み聞かせでした。ページが切り替わるたびに、子どもたちの表情が少しずつ動いていくのが印象的でした。
最後の感想発表では、
「サンタは大変だと思った。」(2年生・男の子)
「寝坊しているサンタがいて面白かった。」(3年生・女の子)
「電子黒板を使ってくれたので分かりやすかった。」(6年生・女の子)
「サンタさんに会いたいと思った。」(1年生・女の子)
など、素直であたたかな感想が聞かれました。
校舎内を見渡すと、トイレ前や教室の壁、廊下など、学校の至る所にクリスマスの飾りが並び、自然と季節を感じられる空気に包まれています。6年教室には今月の歌の掲示や入口のトナカイの飾りも整えられ、学びと行事が静かにつながっているように感じました。
大がかりなことでなくても、本を読む時間、話を聞く時間、飾りを眺める時間が重なって、学校に流れる空気が少しやわらぐ。そんなひとときだったように思います。2学期の終わりに、子どもたちとこのような時間を共有できたことを、うれしく感じています。
もうすぐクリスマス。親子で素敵な時間を過ごせるといいですね。







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